ヴィンテージギターの世界では、「フルオリジナル」「リペア歴なし」という言葉が、高い価値を示す条件として語られることがよくありますね。
確かにFenderやGibsonでは、その考え方が当てはまる場面も少なくありません。
当店ではこれまで数多くのヴィンテージGRETSCHを扱ってきましたが、「ネックリセット」と「バインディング補修」が必要にならない個体は、ほとんど見たことがありません! 残念!
これは故障ではなく、50年以上という長い年月を経たGRETSCHがたどる、ごく自然な経年変化なのです。
ネック角度は少しずつ変化し、ブリッジを一番下げても弦高が高くなってしまう不具合。外してみると、スカスカの隙間をクサビで埋めている個体もありますww
極論ですが・・・ビンテージGRETSCHはネック接続部の劣化により、演奏性に支障が出るようにするように造られています!泣
そしてセルロイド製バインディングは化学変化により、ひび割れや剥離、欠けが発生します。
つまり、「リペア歴がない」ということは、「状態が良い」という意味ではなく、必要なメンテナンスがまだ行われていない可能性があるということです。
現在、この2つの修理を依頼すると、安く見積もっても20万円前後。症状によっては30万円を超えることも珍しくありません。
そのため、ヴィンテージGRETSCHでは、修理歴のない個体よりも、信頼できるリペアマンによってネックリセットやバインディング交換が適切に行われた個体のほうが、結果として市場価値が高く評価されるケースもあります。
GRETSCHをステージで使用するミュージシャンの愛器で、このリペアを行っていない個体はないと断言いたします!
私がいつもお客様にお話しするのは、「見るべきなのは修理歴ではなく、修理の内容です」ということです。
誰が施工したのか、どのような方法でリペアされたのか、ネック角度は適正か、バインディングは丁寧に再施工されているか。それこそが、これから先も安心して弾き続けられるヴィンテージGRETSCHかどうかを判断するポイントになります。
そして、せっかくネックを外してネックリセットを行うのであれば、この機会にリフレットとナット交換も一緒に行うことをおすすめしています。
長年使用されたフレットは摩耗し、ナットも溝が深くなっていることが多く、ネックリセットだけでは本来の演奏性を100%取り戻せない場合があります。
一度に施工すれば、ネック角度・フレット・ナットを総合的に調整できるため、弾き心地や音程精度、チューニングの安定性は大きく向上します。
もちろん追加費用はかかります。しかし、後から再びリペアに出すことを考えれば、結果的には効率も良く、長い目で見れば経済的です。
ヴィンテージGRETSCHは、飾って眺めるだけの楽器ではありません。
あの唯一無二のFilter’Tronサウンド、箱鳴り、そして美しいルックスを、これから先も何十年と楽しむためには、必要なメンテナンスを惜しまないことが何よりも大切です。
「リペア歴なし」という言葉だけに惑わされず、適切なリペアが施され、最高のコンディションに仕上げられているか。
そこに目を向けることが、本当に価値のあるヴィンテージGRETSCHを選ぶ近道だと考えています。
これからヴィンテージGRETSCHの購入を検討される方は、ぜひ「オリジナル」という言葉だけで判断せず、そのギターがどのようなメンテナンスを受けてきたのかにも注目してみてください。それが、長く付き合える一本との出会いにつながるはずです。
某オークションサイトやフリマサイトに出品されているビンテージGRETSCHを購入するなら、上記のリペアが済んでいるかがカギです。悪意をもって出品している人が多いジャンルかもしれませんね。













