冬が近づくと、ギターを扱う者にとっては少しだけ気を張ります。
冬場にインフルエンザが流行する理由ってご存じですか?
空気中の水分が減少すると、ウイルスの浮遊が活発になるからですね。それで空気清浄機能付き加湿器を買うものの
「空気は澄んでいるのに湿度だけがどんどん逃げていく・・・」
→換気扇を回すと、家の中の加湿された空気を排出して、カラカラに乾燥した外の空気が窓の隙間や壁に設置されている換気口から流入しますので、全く湿度が上がりません。
換気扇回さないと結露やカビの心配が・・・「あっちを立てればこっちが立たず」状態ですよね。
ギターにとって乾燥は、何よりも大きな負担になります。
以前、通販で某社のレスポールタイプをご購入頂きました。
「弦を緩めて」というご指示に基づき発送したのですが、届いた時点で逆反りが発生。
ご自身でトラスロッドを回したことがないということでしたので、こちらで近隣のギターショップ様にお願いし、お持ち込み頂きまして解決となったことがありました。
木でできた楽器は、季節の変化に対して驚くほど敏感です。
乾燥すれば縮み、湿れば膨らむ。その動きが音を作り、響きを生むのだから当然のことなのですが、寒い季節にはその“縮み”が少し極端になりやすいのです。
指板の収縮によるフレットの飛び出しや、ネックの逆反り、ボディトップの沈み込み。こうした変化はどれも、冬場に多く見られます。
乾燥によって木が締まりすぎると、ギターは音まで固くなるといわれます。
急にビビリが増えたり、弾き心地がぎこちなくなったりするのは、まさにそのサインですね。
毎年この季節になると、お客さんが心配そうに持ち込んでくるギターの多くが、乾燥に負けてしまった状態であることが多いです。
ただ、乾燥といっても特別な対策が必要なわけではないと思います。
まず最初に大切なのは「湿度計を置くこと」だと思います。湿度が数字として目に見えるだけで、状況に気づきやすくなる。理想は40〜50%といわれています。
とはいえ毎日その範囲に収めるのは難しいので、せめて“極端に乾きすぎないように”という意識だけでも十分です。
冬に暖房を使う場合、部屋の湿度は想像以上に下がってしまいます。
そのため、加湿器を弱めに、長時間かけて運転させるのがいちばん安全で効果的だと思います。
急激な湿度変化は木にストレスを与えるので、ゆっくり、穏やかに湿度を戻していくのが良いと思います。
店には100本程度のギターがありますので、私はこの方法を続けています。(家にはテレキャスター1本しかありませんww)
また、ケースに入れて保管するだけでも、ギターが受ける乾燥の影響は大きく軽減されますね。
調湿剤を一緒に入れておけば、より安心かと思います。
特にアコースティックギターは構造上、空気の影響を受けやすいため、この方法は効果が高いと思います。
もうひとつ注意したいのは、暖房の風が直接当たる場所にギターを置かないことです。これは重要ですので避けてほしい!
夏場も同様です。
ストーブやエアコンの吹き出し口は、ギターにとって“乾燥の集中砲火”のようなもの。たった数日で状態が変わってしまうことさえあります。
その日の湿度がいいと、ギターを手に取った瞬間にわかることがありますよね。
指板の感触がしっとりと安定し、音の立ち上がりが素直で、響きに余裕が出る。乾燥から守られたギターは、まるで安心して呼吸をしているように感じます。
だからこそ、乾燥する季節には、ほんの少しだけ気を配ってほしいと思います。
湿度計を見て、加湿器を弱めに使って、ケースにしまっておく。それだけでも、ギターの健康は大きく変わります。たったそれだけのことで、冬のトラブルは驚くほど減っていくものです。
乾燥の季節を無事に乗り越え、春の空気が戻ってきたとき、ふっと柔らかい響きを取り戻す瞬間てありませんか?
それを感じるたびに、木の楽器の奥深さと、手をかけることの意味をあらためて考えてしまいます。
今年の冬もまた、ギターと一緒にゆっくり乗り越えていきたいですね。













